初心者がピアノを選ぶときに注意するべきポイント
「電子ピアノを買おう!」と決意したものの、たくさんの種類やメーカーがあって迷ってしまうという方は多いのではないのでしょうか。そもそも、何を基準に選んでいいか分からないかもしれませんね。
「初心者だし、まずは簡単な練習ができればいいや…」と適当に選んでしまうと、後々後悔することになりかねません。予算内でベストな選択をするために知っておくべきことを5つご紹介します。
①61鍵盤以上あるピアノを選ぶ
本物のピアノは88個の鍵盤があります。つまり88の音が出せるということですね。初心者の方がピアノを選ぶ時も もちろん88鍵盤が好ましいのですが、予算を抑えたいという方は61鍵盤のピアノでも大丈夫でしょう。
それ以下のピアノになると、曲を弾いている時に「鍵盤が足りなくて音が出せない!」という事態になる可能性があります。
②鍵盤の重さは重めがベター
本物のピアノは電子ピアノよりもタッチが重たいです。電子ピアノではすらすら弾けるのに、本物のピアノで弾いたとたんまったく指が回らない…というのはよくある話。
ピアノ教室にあるピアノは本物のピアノであることがほとんどです。家では弾けたのに、レッスンでは全くできなかったということを防ぐためにも、タッチが重めの鍵盤を選ぶといいでしょう。
③鍵盤の材質による違い
電子ピアノの鍵盤には、2種類の材質があります。比較的安価な電子ピアノはプラスチックの鍵盤、20万円以上の高級モデルは木製の鍵盤であることがほとんどです。アコースティックピアノは木製鍵盤ですから、より本物に近い感覚で演奏したいなら木でできた鍵盤を選ぶとよいでしょう。
プラスチックの鍵盤は指が疲れやすく、弾いた時に爪が当たってカチカチとした音が目立つというデメリットがあります。とはいえ、初心者のうちは難曲を弾くこともありませんので、プラスチックの鍵盤でも問題ありません。
④ヘッドホンの使用が可能か
電子ピアノを選ぶ理由の一つに「夜でも気兼ねなく練習したい」「近所迷惑にならないようにしたい」という気持ちがあるでしょう。音量を調節する機能はほとんどの電子ピアノに入っていますが、ヘッドホンを接続できる機能がないピアノもあるのでご注意を。重要ですが見落としがちなポイントです。
⑤タッチの強さで音量を変えられるか
強く弾くと大きな音が出る、弱く弾くと小さな音が出る、といったようにタッチの強さで音量や音色を変えられるピアノを選ぶことをおすすめします。この機能をタッチレスポンス機能といいます。
この機能がないとどんな弾き方をしても同じ音色になるので、あなたなりの音楽を表現することが難しくなるのです。色々な曲が弾けるようになったら自分の色を出したくなるはずです。少し値段が上がってしまいますが、ぜひタッチレスポンス機能のある電子ピアノを選びましょう。
初心者におすすめの電子ピアノ
電子ピアノを選ぶ際の基礎知識をふまえた上で、初心者におすすめの電子ピアノを5つご紹介します。予算や目的に合わせて選んでくださいね。
おすすめ① ヤマハ「ピアジェーロ NP-12B」
「とりあえずピアノを弾きたい!」「音を出してみたい!」という方におすすめの電子キーボードです。コンパクトで場所をとらず、機能もシンプルなので機械が苦手な方も簡単に操作できます。この価格でタッチレスポンス機能もついているので、入門からレッスン前の軽い練習に最適でしょう。
●基本スペック
- 鍵盤:プラスチック/61鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約2.5万円
おすすめ②ヤマハ「Pシリーズ P-125」
初心者の練習用としても、その後音楽を長く楽しむのにも不満点がない商品です。音質もよく、最もコスパのいい電子ピアノと言えるでしょう。値段以上の機能を期待できます。スタンドやペダルが別売りなので、自分好みにカスタマイズできるのも魅力です。
●基本スペック
- 鍵盤:プラスチック/88鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約5万円
おすすめ③コルグ 「デジタルピアノ B2」
安価でタッチレスポンス機能のあるピアノを探しているならこれ。音質も悪くなく、強弱もしっかり出せます。鍵盤が縦に長く、本物のピアノの感覚を味わうことができます。どうしてもキーボード感は出てしまうものの、デザインがシンプルで余計な機能がないため部屋のインテリアにもよくなじみます。軽くて持ち運びやすいので、女性でも簡単に移動できるでしょう。
●基本スペック
- 鍵盤:プラスチック/88鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約4万円
おすすめ④カワイ「デジタルピアノ CN29」
一般的に10万円出せば、演奏に申し分ない電子ピアノが手に入ると言われています。カワイはヤマハと並んで人気の楽器メーカー。重厚感のある音色が好きな方におすすめです。頑丈で、自宅練習用にもってこいの商品です。様々なデザインがあるので、お部屋に合ったものを選ぶのも楽しみのひとつ。
●基本スペック
- 鍵盤:プラスチック/88鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約10万円
おすすめ⑤ Roland DP603
社会人にもなり、いくら趣味とは言え、納得感あるものを買いたいという人もいるでしょう。そういう人にオススメなのがDP603です。
何よりも鍵盤が良いです。毎日弾くものだから鍵盤にはこだわりたいですよね。柔らかすぎず、硬すぎず、ちょうど良い打鍵感があります。そんな方にオススメの商品です。
●基本スペック
- 鍵盤:木製&プラスチック/88鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約18万円
おすすめ⑥ Roland LX706
DP603を更にアップグレードとしたのがLX706です。鍵盤・スピーカーが更に良くなっています。
アップライトは買えない、だけどできる限り近いものが欲しい。そんな方にオススメです。鍵盤・スピーカーの質ももちろんですし、電子ピアノだからこそ楽器を変えたり、音色を変えられるなど、様々な楽しみ方ができるでしょう。
ワンランク上の電子ピアノを求めている方にオススメです。
●基本スペック
- 鍵盤:木製&プラスチック/88鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約27万円
おすすめ⑦カシオ 「セルヴィアーノ グランドハイブリッド」
金銭的に余裕のある方は、思いきって最高級モデルの電子ピアノを購入するのもありです。ピアノをはじめるにあたって本物のピアノがほしいけれど、住宅環境の問題で買えないという方にうれしい商品。本物のピアノと変わらない音質、タッチ、振動を体感できます。電化製品というよりも、“楽器”として長く愛用できるでしょう。
●基本スペック
- 鍵盤:木製/88鍵盤
- ヘッドホン:接続可
- タッチレスポンス機能:あり
- 参考価格:約40万円
初心者におすすめのピアノ曲
あなたにぴったりのピアノは見つかりましたか?
音楽生活を共にするピアノを自宅に迎え入れたら、さっそく練習をはじめましょう。初心者におすすめの取り組みやすいピアノ曲をジャンル別に用意しました。
クラシック
シューベルトの子守歌/シューベルト
誰もが聞いたことがある子守歌。手の位置をほとんど動かさず弾けて簡単なのに、メロディーが大変美しいので聞いている人に感動を与えられるでしょう。
ロマンチックな曲調なので、初心者でも感情をこめて弾きやすいです。入門で習う音符がほぼ含まれているため、この曲が弾ければ他の初級レベルの曲もぐっと弾きやすくなるはず。
ポップス
涙そうそう/夏川りみ
テンポがゆっくりで旋律を覚えやすいため弾きやすい曲です。
右手さえ覚えてしまえば、左手は一音だけを押さえる弾き方をしても様になる美しいメロディーラインです。
初心者の方はハ長調(調号がない)の楽譜を使うとさらに簡単に弾けます。
ジャズ
茶色の小瓶/ジョセフ・ウィナー
難しいテクニックがなくても、ジャズというだけでちょっと上級者に近づいた気分ですよね。
この曲は手の動きの繰り返しが多いので、一度覚えてしまえばすらすらと弾けるようになります。有名曲なので、超入門編の楽譜から上級者向けにアレンジされたかっこいい楽譜までさまざまなものが見つかります。
だんだんと楽譜のレベルを上げていくのも、成長が見えて楽しいですよ。
終わりに
ピアノを学ぶことを決意したら、早く弾いてみたくてうずうずするでしょう。気持ちばかり焦って何も考えずに適当なピアノを購入してしまうと、後から不満点が出てきてしまうことがあります。安い買い物ではないので、自分に最適なピアノを慎重に選びましょう。お気に入りのピアノで曲を弾けるようになると本当に楽しいですよ!
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